【獣医が解説】犬の膀胱炎の症状と治療：解決策

「なんだか最近、うちのワンコのおしっこの様子がおかしい…？」そう感じたことはありませんか？もしかしたら、それは犬の膀胱炎のサインかもしれません。犬の膀胱炎は、私たちの大切な家族であるワンちゃんにとって、とてもつらい病気です。この記事では、「犬の膀胱炎の症状と治療」について、飼い主さんが知っておくべき大切なポイントをわかりやすく解説します。どんな症状に気を付けるべきか、病院での検査や治療はどのように行われるのか、そして日頃からできる予防法まで、詳しくご紹介していきます。愛犬の健康を守るために、ぜひ最後までお読みください。

犬の膀胱炎、早期発見が大切

なぜ早期発見が重要なのか

犬の膀胱炎は、放っておくと悪化し、治療が長引くことがあります。早期に発見し、適切な治療を開始することで、ワンちゃんの苦痛を最小限に抑え、合併症のリスクを減らすことができます。例えば、細菌性の膀胱炎が腎臓にまで広がってしまうと、より深刻な病気である腎盂腎炎を引き起こす可能性があります。早期発見は、このような事態を防ぐための最初のステップなのです。

見逃しがちな初期症状

膀胱炎の初期症状は、些細な変化として見過ごされがちです。いつもよりおしっこの回数が多い、少しずつしかおしっこが出ない、おしっこの色がいつもと違う、といったサインに気づくことが大切です。また、おしっこの際に痛がったり、陰部を気にして舐める様子が見られたりする場合も注意が必要です。これらのサインを見逃さないためには、日頃から愛犬の排泄の様子をよく観察することが重要になります。

早期発見がもたらすメリット

早期に膀胱炎を発見し治療を開始することで、ワンちゃんは比較的早く元気を取り戻すことができます。治療期間が短縮されれば、ワンちゃんのストレスも軽減されますし、飼い主さんの負担も少なくなります。また、治療費も抑えられる可能性があります。早期発見は、ワンちゃんにとっても飼い主さんにとっても、多くのメリットがあるのです。

主な症状：犬の膀胱炎を見抜くサイン

排泄の回数と量の変化

愛犬の膀胱炎に気づく最初のサインの一つは、おしっこの回数が明らかに増えることです。今まで1日に数回だったのが、頻繁にトイレに行くようになったり、夜中に何度も起きるようになったりする場合は注意が必要です。しかし、回数が増えたからといって安心はできません。少量ずつしかおしっこが出ない、または全く出ないといった症状も、膀胱炎の可能性があります。これは、膀胱が炎症を起こしてうまく機能していないサインかもしれません。まるで水道の蛇口が壊れて、ちょろちょろとしか水が出ないようなイメージです。

おしっこの異常

おしっこの色や臭いにも注意を払いましょう。健康な犬のおしっこは、薄い黄色から麦わら色をしていますが、膀胱炎になると、濃い黄色になったり、濁ったり、血が混じってピンク色や赤色に見えたりすることがあります。また、普段は気にならないおしっこの臭いが、ツンとするような強い臭いに変わることもあります。これは、膀胱内で細菌が繁殖しているサインかもしれません。もし、愛犬のおしっこにこのような変化が見られたら、膀胱炎を疑ってみる必要があります。

排尿時の苦痛を示すサイン

おしっこをする際に、普段と違う様子が見られる場合も、膀胱炎のサインかもしれません。例えば、おしっこをする体勢をとってもなかなか出なかったり、おしっこが出そうで出ないような仕草をしたり、おしっこ中に痛がって「クーン」と鳴いたりすることがあります。また、排泄後に陰部を執拗に舐める行動も、炎症による不快感を示している可能性があります。これらのサインを見逃さないためには、愛犬がおしっこをする様子を注意深く観察することが大切です。

その他の症状

膀胱炎の症状は、排泄に関するものだけではありません。元気消失や食欲不振など、全身的な症状が現れることもあります。また、発熱が見られる場合もあります。これらの症状は、膀胱炎が進行しているサインかもしれません。特に、子犬や老犬、免疫力が低下している犬は、膀胱炎が悪化しやすい傾向にありますので、注意が必要です。

獣医さんによる診断と治療法

動物病院での診断

愛犬に膀胱炎の疑いがある場合、自己判断せずに、まずは動物病院を受診することが大切です。獣医さんは、飼い主さんからの詳しい問診に加え、触診や尿検査などを行います。尿検査では、尿中の細菌の種類や量、炎症の程度などを調べます。必要に応じて、超音波検査やレントゲン検査を行い、膀胱内の状態を詳しく確認することもあります。これらの検査結果を総合的に判断し、膀胱炎の原因を特定していきます。例えば、尿検査で特定の細菌が検出されれば、細菌性膀胱炎と診断できますし、結石が見つかれば、結石が原因の膀胱炎と診断できます。